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「AIって、
何に使うの?」

「生成AIが便利らしい」とは聞くけれど、自分の会社の何に使えばいいのかがわからない。一人で会社を回している経営者ほど、その入り口で立ち止まります。この記事では、ツールを選ぶ前に確認したいことと、生成AIとの最初の距離感の取り方を整理します。

「生成AIが便利らしい」という話は、もうどの経営者の耳にも届いています。ニュースでも、取引先との雑談でも、AIという言葉を聞かない日はありません。それでも、いざ自分の会社に当てはめようとすると、多くの方が同じところで手が止まります。「で、うちは何に使えばいいんだろう」と。

特に、一人、あるいは数人で会社を回している経営者ほど、この問いは重くのしかかります。営業も、経理も、Web更新も、顧客対応も、最後は自分の手元に戻ってくる。だからこそ、新しい道具を試す時間も、失敗して学び直す余裕も、大企業のようには取れません。

この記事は、そんな一人社長・小さな会社の経営者に向けて、「ツールを選ぶ前に何を確認すればいいか」「生成AIとどんな距離感で付き合い始めればいいか」を、実務の順番で整理したものです。

結論を先に言うと、最初にやるべきは「どのAIを契約するか」を決めることではありません。「自分の一週間の中で、いちばん気の重い作業はどれか」を一つ思い浮かべること。生成AIとの距離感は、その一点から測り始めるのが、いちばん失敗しにくい入り方です。

なぜ、「導入」の前で止まるのか

理由ははっきりしています。世の中に流れているのは「AIで何ができるか」の情報ばかりで、「自分の会社の何に効くか」という情報がほとんどないからです。できることは無限にあるように見えるのに、目の前の業務とのつながりが見えない。この落差が、人を立ちすくませます。

もう一つは、失敗のイメージが先に立つことです。「間違った答えを出すのでは」「情報が漏れるのでは」「結局使いこなせずに終わるのでは」。これらはどれも正当な心配で、無視してはいけません。ただ、心配の多くは、いきなり大きく導入しようとするから大きくなる面もあります。小さく、区切って試せば、そのほとんどは手のひらに収まるサイズになります。

ツールの名前より先に、確認したい3つのこと

ChatGPT、Claude、Gemini、Copilot。名前を先に覚える必要はありません。どれも文章や情報の整理は得意で、小さな会社の入り口としては、正直どれから始めても大きくは外しません。それよりも、次の3つを先に確認するほうが、後々の効果が変わります。

01 / どの作業一週間のうち、気が重い・時間を取られる・つい後回しにしがちな作業はどれか。
02 / どこまで任せるその作業を「下書きまで」「整理まで」など、人が最後に確認する前提で、どこまでAIに任せるか。
03 / 何を入れない顧客名や社外秘など、AIに入力してはいけない情報の線引きができているか。

この3つが決まっていれば、ツールは後から選べます。逆に、ここが曖昧なままツールだけ契約すると、たいてい「開いてはみたけれど、何を入力すればいいかわからない」で止まります。業務全体をもう少し広く棚卸ししたい方は、DXの9つの観点をまとめた別記事もあわせて参考になります。

20年・1,000件の現場から見えること

グローカルワークスは2006年の創業以来、20年にわたって、100社を超える企業の業務改善に伴走してきました。関わった改善の件数は累計で1,000件を超え、AI導入支援に限っても20社を超えています。わたしたち自身も、日々の自社業務に生成AIを使いながら、福岡を拠点に中小企業の現場に入っています。

その現場で繰り返し感じるのは、成果を出す会社ほど「派手なこと」から始めていない、という事実です。多くは、受発注メールの仕分け、議事録の下書き、商品説明文の初稿といった、地味で反復の多い作業からAIを入れています。実際に公開している事例でも、毎日180分かかっていた受発注メールの仕分けが30分になったケース(CASE01)や、EC商品ページの公開が5日から半日に縮んだケース(CASE02)があります。

わたし自身が最初に「これは使える」と実感したのも、派手な場面ではありません。それまで作りたくても作れなかった、簡単な事務作業の自動化ツールを、生成AIに相談しながらいくつも作れるようになったときです。毎回手作業でこなすには面倒、けれど外注するほどでもない——そんな「すき間の作業」が次々と片づいていく感覚は、20年業務改善に関わってきた身からしても新鮮でした。

共通しているのは、「AIに全部やらせよう」とした会社ではなく、「この一手間だけ肩代わりしてもらおう」と考えた会社が、最初の成功体験にたどり着いているということです。距離感を一気に詰めようとせず、まず一歩だけ近づいてみた会社が、結果的に長く使い続けています。

まず「小さく試す」ことの効用

小さく始めることには、精神論以上の合理性があります。

  • 効果が測りやすい。「この作業が何分減ったか」を一つだけ見ればよい。
  • 失敗しても被害が小さい。下書きの精度が悪ければ、使わなければいいだけ。
  • 現場が納得しやすい。一つうまくいくと、次の候補は自然と社内から出てくる。
  • 情報の線引きを試しながら固められる。最初から完璧なルールは要らない。

逆に、いきなり全社的な仕組みを目指すと、検証も、教育も、ルール整備も同時に走り出し、たいていどこかで息切れします。生成AIとの距離感は、一気に詰めるものではなく、一つの成功体験を足がかりに、少しずつ縮めていくものです。

「自分の会社は、生成AIとどのくらいの距離にいるのか」。それを測る入り口として、60秒でできるAI成熟度診断を用意しています。設問に答えるだけで、いま優先すべき一手の方向が見えてきます。

一人で抱えているなら、まずは一つだけ

一人社長にとって、いちばんもったいないのは「AIを学ぶための時間」を確保しようとして、結局その時間が取れずに何も始まらないことです。学んでから使うのではなく、いちばん気の重い作業を一つだけ、AIに下書きさせてみる。順番は、それで十分です。

グローカルワークスでは、大きなシステムを売るのではなく、いまある業務のどこにAIを一手だけ入れると軽くなるかを、一緒に見つけるところから始めます。福岡・九州はもちろん、オンラインでも対応しています。

よくある質問

生成AIは何から使い始めるのがいいですか?

いちばん気が重い、または時間を取られている反復作業を一つ選び、その「下書き」や「整理」をAIに任せるところから始めるのが現実的です。ツール選びより先に、対象の作業を一つ決めることが大切です。

一人社長でも生成AIは役に立ちますか?

役に立ちます。むしろ、営業から事務まで一人で兼ねている経営者ほど、メール整理・議事録・文章の初稿づくりなどで手元の時間を取り戻しやすくなります。小さく試して効果を確かめるのがおすすめです。

生成AIに会社の情報を入れても大丈夫ですか?

入れてよい情報と入れてはいけない情報の線引きを先に決めることが重要です。顧客名や社外秘は避け、まずは一般的な下書き作業から始めれば、リスクを抑えながら使い始められます。

まず、いちばん気の重い作業を一つ。

あなたの会社が生成AIとどのくらいの距離にいるか、60秒の診断で確かめてみませんか。設問に答えるだけで、次の一手の方向が見えてきます。